ゆゆブログ

臨床検査技師からフィールドサービスエンジニアに転職しました。

Q&A①|臨床検査技師になった理由は?(質問者:検査学生さんほか)

こんにちは、ゆゆ(@yuyu_medtech)です。

……さて、「臨床検査技師になったきっかけは?」「どうして転職したの?」など、これまでにTwitterで多くの質問を頂きました。そこで今回、質問とその回答の一部をブログのコンテンツとして再利用させていただこうと思い立ちました。質問内容と回答はブログ用に改変・追加するなどまとめ直しています(いまならこう答える、みたいな)。

それではスタート!

(なんかインタビュー形式になっていますが、インタビューされたわけではありませんっ)

 

臨床検査技師になった理由は?

(質問者:検査学生さんほか)

 
──臨床検査技師を目指したきっかけはなんですか?

 

「生物学好き」がベースにあります。

もともと理科が好きな子どもでした。中学校の理科の授業は座学も実験も毎回楽しみにしていて、定期試験の勉強でさえのめり込んでいました。

 

高校では化学と生物学を選択し、どちらもやはり楽しんでいました。特に生物。これはもう病的に好きすぎて、趣味なのか勉強なのか分からない状況でした。生物学に興味を持ったのは高校1年生の春で、高校の図書館で何気なく手に取った(?)「細胞膜の仕組み」的な新書に感動したのがきっかけです(残念ながらタイトル不明)。中学生のときは『ただの膜』であった細胞膜の正体がなんとビックリ、流動的な脂質の膜であり、いろいろな物質を受動的・能動的に通過させるではありませんか!それでもう生物学の沼にハマりましたね。

 

高校2年生になると、生物学の中でも特にヒトの生物学に興味を持つようになりました。学校の授業で免疫の仕組みなど、人体について少し深く学んだからです。学校の授業以外にも市の図書館で様々な本を借りて読んでいました。そのひとつが「新・免疫の不思議」(谷口克著、岩波科学ライブラリー)という本でした。自己と非自己の区別や抗体の仕組みなど基礎的な内容も面白かったのですが、アレルギーや北里先生の血清療法など応用面にも触れられており、生物学には収まらない医療分野の面白さに気づかされました。

 

そのような経緯で、進路先は「「ヒトを対象とした勉強ができるところ」に決めました。授業科目や大学の研究内容などを参考に調べていくうちに、生体分析のスペシャリストと謳われていた臨床検査技師という仕事を知り、進路先の候補のひとつにしました。

 

最終的に入試では、臨床検査技師育成校のほかに、理学部、理工学部、生物工学部、教育学部生物専攻などを受けました。そのうち合格を頂いたのは、私立大学の臨床検査技師育成科と公立大学の生物工学部。迷いましたが、ライフサイエンス研究が盛んな私立大学の方を選びました。ここで臨床検査技師へだいぶ近づきました。

 

──看護師や薬剤師など、他の医療職は目指さなかったんですね?

 

他の医療職は眼中にありませんでした。僕は臨床検査を「人体を対象としたライフサイエンス分野のひとつ」と捉えていました。

 

高校生の僕にとって他の専攻はちょっと違う匂いがしていました。看護師は医療って感じだし、薬剤師は化学だし学費高いって感じでした(雑)。

 

──大学1年です。人の身体で起こる様々な現象に興味があり、それを知ることのできる仕事をしたいと思い臨床検査技師を目指すことにしました。でも、それでは面接で受からないと臨床検査技師の方に言われてしまいました。ゆゆさんが臨床検査技師になる時の志望動機をぜひ教えて頂きたいです。
 

面接のことはおいといて、その気持ちはぜひ大切にしてくださいね。臨床検査技師を目指す素晴らしい理由だと思います。志望動機は、「臨床検査技師になりたい理由・きっかけ」と「その病院や施設で働きたい理由」をセットで考えましょうね。

 

さて、検査学生となってからも、将来的には様々な進路が可能性として考えられました。大学院に進み研究開発の仕事にチャレンジするという選択肢もありました。大学4年生になるまで、大学院に進むか学部卒で臨床検査技師になるのか、迷いがありました。

 

しかし、卒業研究を経験して「楽しいけど研究そのものを仕事にするのはなんか違うかな」と感じたとともに、臨床検査技師として日々ルーチンをこなす中で生まれる疑問や課題を解決するという形での研究活動のほうが自分にあっている。それに、臨床検査そのものが面白い!」と思い、学部卒で臨床検査技師の道に進むことにしました。『探求心のある臨床検査技師』が、僕が漠然と目指していた臨床検査技師像です。

 

僕が質問者さんと同じ大学1年生のときは、まだ臨床検査技師になるとは決めていませんでした。 臨床検査技師以外にもいろんな道がある、無限の可能性があると思って、臨床検査の勉強も、学校以外の基礎医学の勉強も、英語の勉強も、専門書を読みあさるなどたくさんしてました。楽しかったし、臨床検査技師になってからもバックグラウンドの知識として大いに役立ちました。

 

今の時点では「人体の現象に興味がある、それを知りたい」ってのが理由ですよね。最終的な志望動機は就職活動を初めてから考えてまとめれば良いのです。困ったらキャリアアドバイザーに相談すれば良いのです。相談したときに、自分自身がこれまで勉強してきたこと、力を入れたことなど、「引き出しが多い」ほうが、良いアドバイスを貰えやすいはずです。

 

薄っぺらい人間には薄っぺらい一般的なアドバイスしかできません。 まずは自分自身の興味関心にフォーカスして、とことん頑張ってみてくださいね。 人体で起こる様々な現象... これからたくさん学べると思います! ワクワクしますね!

 

人体について理解を深めた上で何がしたいのか? ─ ここに臨床検査技師の道に進む理由、もしくは臨床検査技師の道に進まない理由となる答えがあると思います。人々の健康・予防医療に貢献したいなら「健診・検診に携わる検査技師」や「保健所勤務」などの道がありますし、最先端の医療を提供したいなら「大きな病院の検査技師」の道があります。最先端の検査技術を開発したいなら「研究開発職」という道、臨床検査技師を企業の立場から支えたいなら「診断薬メーカーのDMR(営業職)」、製薬分野で貢献したいなら「MR(医薬品の営業職)」や、「臨床開発(治験)」という道、「臨床検査機器・試薬を扱う代理店の営業職」もありますね。

 

進級や実習、国家試験など大変になりますが、「人体で起こる様々な現象を知りたい」という今の気持ちを決して忘れずに、これから頑張って下さい。探求心のある立派な臨床検査技師、もしくは探求心のある『○○』になってください。応援してます。

 

以上です。なぜ臨床検査技師になったのか?だいたいこんな感じです。迷いもありましたが、臨床検査技師になりました。次の記事では、臨床検査技師になってどうだったか?についての質問とその回答をまとめてみたいと思います。質問の多くは「臨床検査技師は食べていけるの?」でしたが、簡単にまとめてみます。

Twitterのフォローはしてると思いますが改めてよろしくお願いします。

@yuyu_medtech